危険なアイツと結婚生活
そして……
「わぁー!
唯ちゃん、そのコートあったかそう!」
蒼はあたしの新品のコートにそっと手をかける。
そして、
「唯ちゃん、可愛いっ」
反則のその笑顔を浮かべる。
あぁ、いつになっても慣れないよぉ。
蒼にドキドキして狂わされて。
真冬なのに沸騰しそうだよ。
改めて蒼を見る。
ダークカラーのコートに、おしゃれなセーターにベージュのパンツ。
シンプルだけどやっぱりかっこいい。
蒼の全てがかっこよくてクラクラする。
こんなかっこいい蒼のはじけそうな笑顔。
それを見るだけで、今日の目的を果たした気分になる。
「唯ちゃん、今日はねぇ、久しぶりに王道デートするんだよぉ?」
ずるい。
ずるいよ蒼。
そうやって、またあたしを掴んで離さないんだから。
だから結婚の話が出なくても、あたしは蒼から離れられなくなる。