キミとひとつになれたら
しばらく歩いて、人気のない廊下の隅に来た。
四ノ宮くんが振り向いて、私をジッと見つめる。
「ああいうの……無視してくれない?イライラするから」
発されたのは、彼らしくない言葉。
「でも……」
仮にも春井くんは四ノ宮くんの友達。
無視するのは…さすがに……。
「小春ちゃんは優しいから、気が引けるだろうけど……」
彼の指が、私の髪に触れた。
たったそれだけの事に、ゾッとしつつ耐えた。
「僕の小春ちゃんに他の男が気安く触れたかと思うと、虫唾が走るんだよ」