キミとひとつになれたら
「よし、逃げよう。小春」
「…うんっ」
自由の身になった小春が、差し出した俺の手を握ろうとした時だった。
「逃がさないよ?」
その声に、全身が震えた。
……嘘だろ?
「四ノ宮……」
部屋の入り口には、四ノ宮が立っていた。
腹部からはまだ出血してる。
「あれくらいの怪我、たいした事ないよ。小春ちゃんを守るためならな」
「……守る、だと?」
「僕の小春ちゃんを攫って、僕らの幸せを壊すつもりなんだろ?そんな事させない」
“元”親友ながら、
さすがに吐き気を覚えた。