キミとひとつになれたら
口で簡単に言える言葉に、根拠なんかない。
うちの兄だって……、私が小さかった頃はよく、
『小春、大好きだよ』
と、言ってた。
兄の優しい笑顔。
温かいハグ。
それが…すごく好きだった。
そんな兄は、今では私を……嫌ってる、憎んでる。
「…嘘じゃないからね?」
ハッと我に返った。
「僕は本当に河瀬さんを守るよ?命に代えても…自分がのた打ち回る事になっても、ね…」
これは…喜ぶところ?
何故か、ゾクッとした。
「河瀬さんは、いろいろと辛い思い…してきたんでしょ?」
ふいに彼の右手が、私の髪の毛に触れた。
「見ればわかる。何か…抱えてるんだろうなって」
彼の手はゆっくり、前髪の方へと移動した。
「いろんな事に…耐えてるんでしょ?」
彼の指が、丁度、額の痣がある箇所に触れた。