涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜
どうして夕凪は私を捕まえたのか、
それを正しく考える余裕はなかった。
パニックになった私は、夕凪が酷く怒っているのだと思ってしまう。
砂の上に起き上がり、尚も逃げようとしたら、
仰向けに押し倒されて、上に乗られた。
「潮音っ 逃げないで!
頼む、話しを……」
夕凪の言葉を聞いてあげられなかった。
怖くて……
嫌いと言われるのが、震えるほど怖かった。
きっと私を睨んでいるに違いない。
そう思い込み、両腕で顔を覆ってガードした。
「潮音、俺は……」
夕凪は必死に話し掛ける。
顔を覆ったまま、私は叫ぶように言った。
「もう言わないで!
嫌いって、言わないで!!
これからは近付かないから……
二度と話しかけないから……
だからお願い……
これ以上、嫌わないで……」