涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜
授業開始の予鈴が鳴っていた。
あと5分で、5時間目が始まる。
静かになった水飲み場で、
私は上條君に背を向け、胸元を隠していた。
濡れてしまったブラウスに、水色のブラジャーが透けていると気付いたからだ。
背を向けたまま、上條君にお願いする。
「上條君、先に戻ってくれる…?
それで、加奈に…」
加奈に私の体育ジャージを持って来てくれるよう、頼んで欲しかった。
だけど彼は戻らず、背中から私を抱きしめた。
耳元で彼の声がした。
後悔の混じった、小さな声だ。
「ごめん…
攻めることしか考えなくて、潮音ちゃんを守れなかった…
ごめん… 嫌な思いをさせたのは、俺のせいだな…」