涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜
 


体育委員が全員の名前を黒板に書き終えてから、

不思議そうな顔を上條君に向けた。



「上條、いいのか?

バスケかバレーがいいと、言ってたのに」



上條君は挑戦的な目を、
体育委員ではなく、窓際の夕凪に向けた。



「気が変わったんだ。
俺、貝原と勝負してみたくなった」



その言葉で、クラスがザワザワ騒ぎ出す。


上條君は注目の中、ゆっくり歩いて夕凪の横に立つ。



夕凪は頬杖ついたまま、上條君を睨み上げ、

それから視線を窓の外に戻した。



お前の誘いには乗らない。
俺に構うなと、言いたげに見えた。



上條君が夕凪の机に手をついて、無理やり視界に自分を入れた。



ニヤリ笑って、宣戦布告する。



「お前さ、実際のところ、スポーツ万能なんだって?

毎朝、波乗りで鍛えていると聞いたぞ。


足も相当速いんだろうな。

スゲー楽しみ。


絶対、負かしてやるから逃げんなよ。

逃げたら、お前の負けだからな」




< 81 / 378 >

この作品をシェア

pagetop