路地
虚ろな状態で目をそっと開けると
まただーーーー
一体、いつになればこのルーティンから抜け出せるのだろうか?
そんな事を思いながら美織はいつもの路地にまた立ち尽くしていた。
ーーーもう終わらせよう、何もかも。
私は全てを知っているーーーー
だからーー
美織は今日こそはとその路地を進み見慣れた工場に置いてあるドラム缶の鉄屑の山に手を掛けた。
両手に血が滲もうとも痛みなど感じることはなかった。
ただ全てを終わらせたい。その一心で美織は鉄屑をその大きなドラム缶から描き出した。一心不乱に。
今日こそは終わらせなければと。
背中にいつしか視線を感じていた。それでも美織は手を止めることはしなかった。
どれくらい掘り出した事だろう。美織の手は鉄屑のサビと血とが混ざり合い肌の色を残していなかった。それでも不思議と痛みすら感じない。そして半分以上の鉄屑を描き出した時、遂にその時が来た。
「とうとう見つけちまったのか。」
聞き慣れたその声に振り向くと鼠色した作業着に身を包む人物が立っている。
ただ顔は見えない。
美織は完全に体をその人物へ向けると上がる息を整え言った。
「そのガード外してよ。顔が見えないじゃない…お義父さん。」
こんなにまでなって尚も、我が身からこれ程までに甘ったるいメスの声が出る事に誰よりも美織自身が驚き、そして胸をチクリチクリと細い針で何度も刺した様な感覚に陥った。
まただーーーー
一体、いつになればこのルーティンから抜け出せるのだろうか?
そんな事を思いながら美織はいつもの路地にまた立ち尽くしていた。
ーーーもう終わらせよう、何もかも。
私は全てを知っているーーーー
だからーー
美織は今日こそはとその路地を進み見慣れた工場に置いてあるドラム缶の鉄屑の山に手を掛けた。
両手に血が滲もうとも痛みなど感じることはなかった。
ただ全てを終わらせたい。その一心で美織は鉄屑をその大きなドラム缶から描き出した。一心不乱に。
今日こそは終わらせなければと。
背中にいつしか視線を感じていた。それでも美織は手を止めることはしなかった。
どれくらい掘り出した事だろう。美織の手は鉄屑のサビと血とが混ざり合い肌の色を残していなかった。それでも不思議と痛みすら感じない。そして半分以上の鉄屑を描き出した時、遂にその時が来た。
「とうとう見つけちまったのか。」
聞き慣れたその声に振り向くと鼠色した作業着に身を包む人物が立っている。
ただ顔は見えない。
美織は完全に体をその人物へ向けると上がる息を整え言った。
「そのガード外してよ。顔が見えないじゃない…お義父さん。」
こんなにまでなって尚も、我が身からこれ程までに甘ったるいメスの声が出る事に誰よりも美織自身が驚き、そして胸をチクリチクリと細い針で何度も刺した様な感覚に陥った。