路地
「とは言え…君の今の体力でそのまま帰す訳にはいかないよね。恐らくここを出ると正式に君も重要参考人として事情聴取始まるだろうし。」


「重要参考人…」


「それにーーー、君も被害者じゃないか。」


「違うっ!!」


驚くほどの声が出た事に誰よりも美織自身が戸惑った。


「落ち着いて。大丈夫。君はいつだってまともだよ。何が違うの?もちろん、言いたくなければ無理に話す事はない。」


どれくらいともわからない沈黙の後、漸く美織は声を絞り出した。


「違う…ーーーーいたの。」


「ん?ごめん、聞き取れなかった。良ければもう一度聞かせてもらえるかな?」


「私は被害者じゃありません。お義父さんに……いえ、彼に性的虐待を受けたなんて思ったこと…一度もありません。」




ーーーー愛していたんです。私は義父である彼を愛していたの。













< 7 / 11 >

この作品をシェア

pagetop