誠を導きし梅
第一章 幕末への扉
日課
夜明けとともに起き、稽古を始める。
これは私の日課だ。
私の家系ーー近藤家の家系は遡ると近藤勇につながるらしい。
世間では近藤勇の孫、久太郎が亡くなりその血は途絶えたとされるが、実は久太郎には子がいたのだ。
そしてその子の孫にあたるのが私である。
私にとってはどうでもいいのだが、この家系のおかげで私は剣術や柔術を学ばなければならないようだ。
父「梅。」
私「はい。」
父「大切な話がある。朝稽古が終わったら私の部屋にこい。」
私「わかりました。」
なぜ父に呼ばれたのか検討もつかない。
私「今日はいつもとちがう……」
そう私の勘はつげていた。