ホンキの恋 【ヒミツの恋続編】
ピンポーン



どこにでもあるありきたりで聞きなれた音の他に。




室内で動く足音が聞こえやしないかと耳を澄ませた。










だけど



なんの音もしなければ、インターフォンに答える裕美の声も聞こえなくて。





ああ……
やっぱり期待外れだったと、ガックリと肩を落とす自分が惨めに感じた。





鞄からキーケースを出して、鍵穴に差し込み回した。




ガチャン




鍵のあく音もいつも以上に虚しく聞こえる。





ため息をつきながらドアノブを回してドアを開いた。




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