【短】俺とあの人~狼の恋~
図書室
雨が降り続く九月の空。



昼休みになると、俺はいつもの古い本だらけの図書室にいた。


教室の賑やかな雰囲気が苦手だった。




高校三年の春、俺は親父の仕事の都合でこの学校に転校してきた。



友達はすぐに出来たし、付き合ってほしいって言う女の子もいた。


だけど、本当に心を開ける友達も恋人もできなかった。



俺の親友は、前の学校にいる尚吾だけ。










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