【短】俺とあの人~狼の恋~
「猛…おまえ変な奴だな」

「は?」

「イラついてたり、なんだか嬉しそうに笑ってたり…猛って変態?」

「んなわけねーだろ!!」



「こらっ!そこの二人静かにしなさい!!」


はげた頭をテカらせながら、物理の先生が叫んだ。


俺と安藤は教科書で顔を伏せた。




安藤って俺のこと見てるんだな‥。


俺より、俺のことを知っている感じがした。



俺は決して変態じゃないけど。

たぶん……ね。




俺、いつから自分のことに『たぶん』をつけるようになったんだ?


俺のことは俺しかわからないって思ってたのに。



不思議だった。







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