【短】俺とあの人~狼の恋~
キスからの距離
「どうしたの?その頬‥」


「べつに…」


「あっ、女に殴られたんだろ~!?
おまえモテるもんなー」



教室に戻った俺の顔を見て、安藤が笑って言った。



授業中、俺はヒリヒリする左頬に手をあてながら、

あの人の唇を思い出してた。




今まで感じた事のない柔らかい唇。


あの人の吐息が混じった舌の感触。


潤んだ瞳…。





あれ…?


俺が泣かせたのか?




泣かせておいて、かわいいだなんて思った俺は悪魔か‥??





あの人のことがおかしいって思ってたけど、


おかしいのは……俺?






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