【短】俺とあの人~狼の恋~
卒業式
「猛~~、俺おまえと離れたくない!」


「うざい!!離れろ!!!」



卒業式を終えた俺は、教室で安藤に抱きつかれていた。




胸に小さな赤い花を付けた俺達は、

今日、この高校を卒業する。




俺がこの高校で過ごした時間は短かったけど、

今思えばいろんなことがあったな‥‥。



今になってこの高校に転校してきて良かったって心から思える。





みんなが記念写真を撮り合ってる教室で、安藤が俺に言った。


「猛、心残りをなくしに行けよ」


「は?おまえ、またおかしくなったのか?」



安藤の顔はいつになく真剣だった。


「俺さ…猛に初めて会った時、凄い冷たい奴だなって思った。
だけど、おまえ変わったよ…すげえ変わった。
なのにいつも寂しそうだった。何かあるんだろ…?」




こんなに俺を見てくれていた人が近くにいたんだ…。



俺は安藤にあの人のことを言おうか迷った。


すると安藤が先に口を開いた。


「言わなくていいよ。
ただ俺は猛に後悔してほしくないだけだから」



「安藤…ありがとう」




俺は安藤に笑って礼を言った後、教室を飛び出した。







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