涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


思わずしゃがみこんで、口もとを手でおさえた。

信じられない事実に、頭が混乱してる。


うそ……やろ……?



「やからせめてサクに嫌われてから死ぬって決めたと、俺は。サクには、あんなやつ死んでよかった、顔見れんくなってせいせいしたって言ってもらわな困るとよ」



レイからの言葉に泣けて来る。

私を想って、レイは別れを選んだの……?


あんな態度や、冷たい視線は、全部全部私のためなの……?



「本当は俺やってずっと一緒におりたいよ?好きやから。でもムリやん。死ぬってわかっとるのに、サクのそばにおるとか……そんなん俺のワガママでサクば傷つけたくない、ほんと、マジ勘弁して……っ」



嗚咽を我慢した。

そしたらかわりにレイの泣き声が聞こえて来た。


レイが……泣いてる。



「圭都……俺……死にたくねぇーよ。サクばひとり残して。サクと……ずっと一緒にいたい」



レイの想いに、涙が止まらないーーーー。


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