涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
でも私は真理ちゃんに嫉妬してる。
レイの特別な人だなんてすごく羨ましい。
……羨ましすぎるくらい。
私もレイの彼女になりたいんよ。
それが叶わない願いなんだってことは、わかってる。
「じゃあ今日はここまで」
授業の終わりを知らせるチャイムが鳴ると日直の人の号令で10分休みになった。
ザワザワしだした教室。
次は……数学か。
「サク、ちょっといいか?」
え?私?
英語のノートと教科書をしまって、次の数学の授業の準備をしていた私に声をかけたのはレイだった。
レイの急な呼び出しに戸惑っていると、休み時間になると必ずレイのところに飛んで来ていた真理ちゃんがすぐそばで固まっているのが目に入る。
圭都も不思議そうな顔をしてこっちを見てる。
「わかった……」
気まずさをひしひしと感じながら、レイと一緒に廊下に出た。