「近未来少年少女」

┗境界線




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メグの家を飛び出して、俺はあてもなく歩いていた

時計を見ると昼の12時。


一番街を一通り歩き回った俺は、二番街のあの場所へ戻る事にした。


“ウノ町二丁目 駄菓子屋坂本”

初めて俺の中で手応えを感じた場所。
1つでも、何か1つでも思い出せれば………


ガラガラっと駄菓子屋の戸を開けて、入り口付近の壁に目を向けた。この絵は俺にとって絶対重要な物なのに、記憶はぽっかり穴が開いてしまってる。

自分の無力さに腹がたった。


『はぁ………』

俺は確実にこの絵を知っている。
だけどそれが何故なのか分からない。

このまま何も思い出せないまま、時間だけが過ぎていくのか?


“自分の背負ってる運命が重荷なら、
もうやめたらいいじゃない”

メグの言葉が頭を過る。


俺は壊れそうな気持ちで駄菓子屋の外へ出た。
そして店の壁にもたれるように座り込む。

俺だって………………

俺だってもう何も考えたくねーよ。


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