晴れ、時々、運命のいたずら



(名古屋はさすがに遠いな…。)



Shipのイベントに行きたい思いは強く持っているが、穂乃花にはまずどうやって行けばいいのかすら分からない。



「お帰りなさい。」



考え込みながら家に帰ってきた穂乃花を祖母の益栄がニコニコと出迎えてくれた。



「穂乃花ちゃん、ちょっといいかしら。」



益栄に呼び止められてリビングへと入った。



「実はね、お婆ちゃん、岐阜の友達の所に行くことになってね。お父さんもお母さんも仕事に出ているから、穂乃花ちゃん1人で家に居てもらわなければならなくなったの。」



「そうなんだ…。」



「ごめんね。」



(岐阜って…。)



頭の中に日本地図を思い浮かべる。



「お婆ちゃん、それは…、いつの話なの?」



「今度の土曜日なの。」



(土曜日…。)



壁にかかっているカレンダーに目を向ける。



(土曜日って…。)



「急に決まっちゃってね。」



少し申し訳なさそうに頭を下げる益栄に向かって、穂乃花は目を輝かせた。



「ねぇ、お婆ちゃん。私も一緒に行ってもいいかな?」


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