不器用なシンデレラ
「理人くん・・ありがとう」 

 具合が悪かった私は、知らず理人くんを名字ではなく下の名前で呼んでいた。

「・・・・」

 そんな私に対して、理人くんはお店の人にもらってきたのか濡れタオルで私の顔を拭う。

 気持ちいい。

 このまま寝てしまいたい。

 寝て、今夜の記憶を忘れたい。

 まぶたが段々重くなる。

 それと同時になんだか悪寒がしてきて身体がブルブル震えだした。

「・・・寒い」

 自分の身体を抱き締めながら呟く。

 その時歯がカチカチと鳴った。

 それはなんとなく覚えてる。
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