SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~



二回目のキスは、目を開けたまま。



――――――!!



硬直したままの私に、落ちてきた唇。


八木君の瞳に、見つめられたままの、キス。


ゆっくりと離れたそれは、私の脳にしっかりと刻まれてしまった。



「やっ、―――――!!」



今さらながらの抵抗を見せても、どこ吹く風。



うーんと首を傾けて、


「やっぱ、熱いよ?」


と、額に手のひらが当てられた。



「亜澄さん、結構、熱、高いかも。

これ、怪我の影響だと思うから。」


「え、……?」


「だから、熱、測ってみなって。

体温計、どこ、―――?」


「……っ。」



そんな、―――。


何でもない顔、されたら、こっちだってどうしていいのか…。



キス、したよね、―――?


今、キス、したじゃん……。



泣きそうになるのを我慢して、



「…引き出し。」



体温計の場所を、指差した。


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