SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~


「で、―――?

何の用事があって来たの?」


澄玲が買ってきた、コンビニのプリンを頬張りながら、同じく2個目に手を出そうとしている妹を見て笑う。


「食べんの、早っ、―――。」


「ああ、パパが来週帰って来るから、お姉ちゃんも帰って来なさいってママが。

この新作のプリン、美味しくない?」


「わかった。日曜に帰るって言っといてよ。

っていうか、メールくれれば良かったのに。」


「昨日、メールしたよ、―――?

返事が帰ってこないから、私が行けって言われたんじゃん。」


あ、―――――。


「ごめん、澄玲。

携帯、壊れたんだ、昨日。」


「ええっ?」


「転んだ時に吹っ飛んでって、ダメになったっぽい。」


よいしょ、と手を伸ばし、バッグの中から携帯を取り出して見せた。


「…うわーっ、終わってんね、これ。」


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