いつまでも
そして、私の回想は1番最後のシーンまでたどり着いた。


駅の隣の雑貨店。
1ヶ月記念日。
彼女。

今まで見たことのない、先輩の嬉しそうな表情。


知らなかった。

私が臆病さを抱え、前にも後ろにも進めないでグズグズしている間に、あの人には彼女ができていた。


もし私が、それより先に思いを伝えていたら。

どのみち結果は同じだったかもしれない。
それでも、こんなに後悔はしなかったはずだ。


先輩の彼女。
どんな人なんだろう。

先輩はその彼女に対して、どんな表情を見せるのだろう。

あの時の嬉しそうな顔。
きっと照れた顔も。


よく考えたら、私はあの人の怒った顔さえ知らなかった。

私はあの人のことを何にも知らなかった。
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