おててがくりーむぱん2


「ミツ、好き」
「わかってるから。ねえ、もう志賀さん迎えに来ちゃうよ。あと三十分。支度したら?」
「やだあああああああ」


孝志の足がさらに暑苦しく光恵に絡まる。


「連ドラが始まると、ミツと全然会えない」
「そうだね」
「もっと外でデートとかしたいよ」
「うん」


付き合いだして一年ちょっと。二人の関係を知る人は、ごく少数。


この一年、孝志の仕事は多忙をきわめていた。寝る間もない日々。その合間を縫って、孝志のマンションで逢瀬を重ねる。誰にも言えないし、どこにも行けない。


光恵は未だに、テレビの孝志を見ると首を傾げる。


わたし、この人と、付き合ってるんだよね?
あまりにも……裏表ありすぎるけど。


「俺、もう、限界だよ。家に帰ってきても、ミツがいない。死んじゃいそう」
「大げさな……でも、もっと会いたいよ」


光恵は孝志の裸の肩に腕を回した。


「ミツは、俺とずっと一緒にいたい?」
「うん、もちろん」


光恵は孝志の頬に軽くキスする。すると孝志がベッドの上に身体を起こした。


スリムでセクシーな身体。


光恵も薄手の毛布で胸を隠しながら、身体を起こした。

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