おててがくりーむぱん2


「みっつぅぅぅぅ」
「マングローブ?」
「違うよっ、ミツのことを、愛を込めて呼んだんじゃないか」
「わかってるって」


光恵は笑った。


午前五時。そろそろ迎えがくる。光恵は孝志の腕から逃れようともがいたが、がっしりと捉えられて動けない。


「あっついよ」
「じゃあ、冷房の温度下げる?」
「そういうことじゃなくてさ」


そう言うと、孝志はまじめな顔で光恵を見下ろす。


ウッドブラインドの隙間から、真夏の光がベッドルームに差し込み、彼の顔にまだらの影をつくる。端正な顔立ち。くっきりとした二重に、通った鼻筋。無駄なものは一切ない、シャープな顎から首筋、肩にかけてのライン。


完璧だ。


「だって、おっぱい触ってないと、落ち着かないんだもん」


光恵は孝志の頭を「パンッ」とはたいた。


「その顔で言うな!」
「顔は変えられないし」


孝志はぷううっと口を尖らせる。


「ほんと、エロ大将になっちゃって……どうしたんだか」
「やっぱ、遅咲きって、こうなるよな」


孝志はうんうんと頷き、それから光恵を再びぎゅううっと抱きしめた。

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