おててがくりーむぱん2


「お願いお願いお願い!!!」
野島が頭を下げると、頭頂部が見える。


ああ、本当に、薄いなあ。


ぼんやりとそんなことを思いながらも「いいですよ」と光恵は返事した。
特にやることもないし、一人でいるといろいろ思い悩んでしまいそうだったからだ。


「さすが皆川先生、頼りになる!」
野島がぱあっと顔を明るくした。


「手当つけるからさ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、明日九時ね」
「はい」

光恵は頷くと自分のデスクへと戻った。
座ると横から視線を感じる。


「先生、約束だからね」
自分の席に戻った白鳥先生が、微笑みを浮かべて光恵に声をかける。


「ははは」
光恵は冷や汗が流れるのを止められなかった。


どうしよ、ほんと。


光恵は目をぎゅっと閉じた。

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