おててがくりーむぱん2


「お待たせしました」
佑司は日差しに目を細めながら、頭を下げた。


「いえ、こちらこそ、突然伺ってすみません」
孝志も頭を下げる。


「近くによく行く喫茶店があるんです。昔からあるっていうような、静かなお店です。いかがですか」
「わかりました」


二人は並んで歩き出した。


孝志も芝居でスーツを着る。
動きづらくて、なんとなく落ち着かない気がするけれど、佑司が着ているとしっくりくる。


俺と同じ歳のはずなのに、随分と落ちついているな。


「ここです」
佑司は会社から徒歩5分のお店に入って行く。薄暗い店内に入ると、豊かなコーヒーの香り。クラシックが流れている。


窓際の席に案内され、二人で向かい合って座る。
革張りのソファは、年月が艶を出し、滑らかな感触。
孝志は佑司と同じコーヒーを頼んだ。
多分コロンビア。


目の前にカップが運ばれてくると、一口飲む。


そして話始めた。


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