木曜日の貴公子と幸せなウソ


1年目は、仕事に慣れるのに精いっぱいだった。

1つの行事が終わると、次の行事の準備に取り掛かる。

それに追いつくのに必死で、あっという間に1年が過ぎてしまった気がする。

それでも、最初に持った年少クラスの子どもたちや保護者に恵まれたし、多くの助けを借りて何とか1年を全うする事ができたんだ。

2年目は年長クラスの担任に。

幼稚園の中で最高学年となる年長クラスは、年少と比べたらかなり大変だった。

行事では先頭にたって他の学年を引っ張らなければならないし。

それでも、子どもたちが『自分達は幼稚園で一番お兄さん・お姉さんなんだ』という意識を持っていたために、かなりスムーズにこなせた。


卒園時には、小学生になるんだという表情になっていて、不覚にも涙を流してしまったほど感動した。

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