木曜日の貴公子と幸せなウソ


そして、3年目の今年は年中クラスに。

3年目にもなると1年の流れがようやくわかるようになってきて、余裕を持って行事の準備に取り掛かれるようになった気がする。

もちろん、他の先生はそれを1年で身につけているだろうし、偉そうに言える事じゃないんだけども。



「萌先生、ゴメン!黄緑の色画用紙もだった」

「あ、はい。行きます!」


教材を持って職員室に戻ると、同僚の夏江が手を合わせて申し訳なさそうに言った。

私は持ってきた教材を机の上に置くと、何度か小さくうなずいて返事をする。

夏江は私と同期の先生。

職場では、名前に先生を付けるけど、普段はお互いに名前で呼び合っているほど仲がいい。

休みの日は遊びに行くし。



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