流星×零姫―黒龍の寵愛姫―
「家、送るから。
今日は、ゆっくり眠れ。」
ゆっくりと頷いた。
陽也さんは車の中に入っても、私を抱きしめたままだった。
けれど、胸の中にあるしこりみたいな物は一向に消えない。
むしろ、大きくなっていく一方だった。
家に着くと、陽也さんは私を部屋まで運んでくれた。
屋敷の中は、広いのにずっと抱えていてくれた。
陽也さんは前より、優しくなった・・・けど、当麻みたいに恋の感情を抱くことはない。
「当麻。」
陽也さんのいなくなった部屋でつぶやいた。
私は、携帯を手にとった。
あの日以来、電源を落とした携帯。