ちっぽけな距離
side 京

「でさぁ、そう‼︎原先がさ‼︎…ん、京⁇」
「あ⁇」
「あ、いや。なーに考えてんの⁇」

春樹は俺を見てそう言う。

「いや別に」

最近あずの様子がおかしい気がする。

なんか、なにを話しても盛り上がないって言うか、反応薄いってか。

何か違うこと考えてんのかな。

「おやおやー⁇もしかして水樹さんかぁー⁇」

と、陽が言う。

「…」

敢えてなにも言わない俺。

けど陽が言うことは当たってる。

「水樹さんって⁇」

と、桜さんが話に入ってくる。

「あ、いや…」

正直話すのめんどくさいと思った。

けど

「水樹さんは俺達と同じクラスのさ。めっちゃ可愛いよな‼︎⁇王子」

陽は俺に振る。

「は…知るか」
「だってよ。素直じゃないねぇ」
「ふざけんな、なにが言いてんだ…」

って俺が言ったら途中で

「あっ、私知ってるよ⁇水樹梓ちゃん。うん、めっちゃ可愛いと思うな。その人が北見君の好きな人なの⁇」

桜さんは言う。

「そうそう。ベタ惚れ⁇」

と、陽は笑いながら言う。

「陽。それ以上…」
「へえ、そうなんだぁ」

桜さんは笑いながらそう言った。
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