先生が好き

あたしたちはたくさん遊んでそのあと、神社の石段に座って話した。


「亜果梨…あのさ…キスしない?」

「いいよ…」

そう言うと…仁志とかあたしの唇がゆっくりと重なった。

でも…何かが違う。

違う…

違う…

仁志…じゃない。

今あたしの…心にいるのは…仁志じゃない。

そう思った。

唇を離して…仁志から離れた。

「仁志…ごめんなさい!」
「えっ?」

「あたし…仁志の事好き…だけど…」

自然と涙が溢れてきた。

止まらない涙。

「好きだけど…本当は…違う…今あたしの…心にいるのは…違う人なの」

「俺…じゃない人…?」

「そう…だから…別れて…ごめんなさい…。」

< 108 / 201 >

この作品をシェア

pagetop