狙われし姫巫女と半妖の守護者
だけど、鈍い音が耳を掠めた。
「大したもんだな。姫巫女の犬っていうのは」
降ってくるのは、蔑むような烏天狗の声。
私はとっさに顔をあげる。
破れた着物の膝。
キズを覆い尽くすにじみ出た鮮血。
「ちょっ、なんで……」
言葉が喉につかえて出てこない。
彼はなおも私の前に盾のようにそびえたっている。
膝に手をやることもなく、鉄骨の山の上で黒い翼をひけらかして浮く烏天狗と片時も目を放さない。
「でも、そんなんで俺に勝てると思ってるの?」
烏天狗の高らかな笑い声が辺りに響き渡る。
私はぐっと拳に力をこめた。
やっぱり最低なヤツ。
こんなケガまで負わせて……。
この人を連れて逃げないと。