狙われし姫巫女と半妖の守護者
「ねえ、姫巫女様って呼ばれるのなんかくすぐったいな。お姉ちゃんね、凛っていうの。そう呼んでほしいな。君の名前は?」
男の子はくりりとした目をきょとんと垂れ目にして、ぼうっと私を見つめ、小さな唇で細い声を紡ぐ。
「ぼくは……テン。お空の天って書くんだ……。凛……お姉ちゃん」
遠慮がちに呟いた薄いピンクの唇。
少し震え気味なクリアな瞳に映りこむ、空の青。
私は男の子の髪をわしゃわしゃと撫でまわす。
「よしよし、天くんかぁ! かっこいい名前だね。よろしくね」
天くんが頭を振って大きく頷き、笑顔をはじけさせる。
ピカピカのお星様が舞っているみたいで、私までキラキラしそうだ。
「よろしくね、凛お姉ちゃん!」
姫巫女でもなく、様づけでもない。
この村の人がそう呼んでくれることが嬉しい。
私はふと縁側の奥の部屋が静かなことに気づき、ちょっと思案した。