狙われし姫巫女と半妖の守護者
「あー、その、じいちゃんがこの手の話大好きでさ、小さい頃すりこまれるように聞かされたんだよ」
やっと打ち明けた彼は、照れくさそうに苦笑い。
「そうだったんだ。おじいちゃん、おもしろいじゃん。私は、この姫巫女神社の娘なのに、なんにも知らないなんて……」
「えっ、鈴代さんって、家が姫巫女神社なの?」
九条くんの問いかけに、力なく頷いた。
つくづく、自分はなんにも知らないんだと痛感して、ごろんと頭を垂れる。
こつんと額があたったテーブルがひんやりと冷たい。
姫巫女神社の娘なのに、お父さんはなんで、なんにも教えてくれないんだろ……。
尖らせた唇はテーブルに押し付けられて、へんてこなへの字口になる。
私は不甲斐無くてしかめっ面で唸り声をあげる。
そんな時、隣から聞こえた控え目な笑い声。
「鈴代さんって、かわいいね。やっぱり、姫巫女神社の人だからかな」
「へっ?」
かわいいって言葉に、頬がかっと熱くなって、横を向きながらさっと体を起こす。