カルチャー
「どこが痛いって言うんですか?

私は正当なことを言っただけです。

いい年齢をした男が未だに女の尻を追いかけているって、どうかしてるにも程がありますよ」

「今日はよくしゃべるね」

上川に言われたとたん、私はハッと我に返った。

私、今何てことを言ったんだ?

と言うか、さっきまで守ってたルールはどうした?

上川のことには一切足を踏み入れないって言うルールを、何で破っているんだ?

「酔ってるの?」

そう聞いてきた上川に、
「かも知れませんね」

私は答えた。

今日だけならいいか。

この際、今日は酒のせいにしてしまおう。

私はそう言い聞かせた。
< 49 / 75 >

この作品をシェア

pagetop