カルチャー
「それにしても、よくこれだけの荷物を表に出せたね」

荷物を出しながら上川が言った。

「まあ、そうですね…」

私は呟くように返事をすることしかできなかった。

「もう2度としないでね?」

そう言った上川に、
「もうしないですよ。

運び出すの大変だったんですから」

私は息を吐いた。

「園美」

上川が私の名前を呼んだ。

「何ですか?」

そう聞いた私に、
「俺の名前、知ってるよね?」

上川が聞いてきたので、
「はっ?」

私は聞き返した。
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