キスから始まる方程式


一週間後。



「桐生君おはよっ」

「はよっ、七瀬」



席替えをしてから早一週間。


自分の席に向かうと、大好きな桐生君の笑顔がバレー部の朝練で疲れた私を出迎えてくれた。



「今日は朝練? やっぱ運動部は大変だな」

「うん。でもうちんとこは毎日じゃないし、そんなに練習も厳しくないから。
運動不足にならなくて、ちょうどいいくらいだよ」

「ふ~ん……そっか」



こんな他愛もない会話が、なんだかすごく心地よくて癒される。



そういえば私が桐生君の隣の席になったことで、以前のように桐生君の席の周りに女の子達が群がることがほとんどなくなった。


どうやら私本人が席にいなくても、“彼女の机が隣にある”という事実が想像以上にいい抑止力となっているらしい。
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