キスから始まる方程式
……はっ! これだけみんなメロメロになっちゃってるってことは、まさか桐生君も!?
いやいや、桐生君にかぎってまさかそれはないよね。
今までどんなに可愛い女の子から告白されても付き合わなかったわけだし……。
必死に自分の中で否定材料を探す。
それでも一抹の不安を覚えた私は、恐る恐る桐生君のほうを盗み見た。
―― ……えっ?
しかし、予想外の桐生君の様子に、おもわず言葉を失う私。
私の瞳に映ったのは、驚いたように目を見開いてまっすぐに編入生を見つめている桐生君の姿だった。