キスから始まる方程式
「ふい~っ……いい湯だった」
その日の夜。
夕食後のお風呂から出た私は、濡れた髪をタオルで拭きながら自室のベッドにドスンと腰をかけた。
「な~んかほんと、色々あった一日だったなぁ……」
ふぅっ、とひとつ大きな溜め息をつく。
疲れ切った体をそのまま後ろに倒すようにして、ゴロンと仰向けに寝転んだ。
「結局、翔と仲直りできなかったな……」
見つめた先の真っ白な天井に、今朝の怒った翔の顔が浮かぶ。
翔にあんな顔させたかったわけじゃないんだけどな……。
そう思ったら、なんだか無性に翔の笑顔が見たくなってしまった。