キスから始まる方程式


私の名前は、結城 七瀬(ゆうき ななせ)。


県内では進学校の類に入る、県立月島(つきしま)高校に通う二年生だ。


外見は黒髪ショートボブに大きな二重瞼の瞳、バレー部で焼けた健康的な小麦色の肌に女の子にしては高めの身長。


それなりに周りからは『美人』として扱ってもらえるのだが、意地っ張りで強気な性格が災いして、寄ってくるのは私の上っ面しか見ていない軽い男達ばかりだ。



「何してんだ? 学校遅れるぞ?」

「今行くってば」



そしてこれが我が家の五軒先の家に住んでいる、風間 翔(かざま かける)。


保育園の頃から一緒にいる私の幼なじみであり、世界中で一番大好きな人だ。


スポーツ刈りよりちょっぴり長めのサラサラ黒髪に、クリクリした瞳。


子供みたいな無邪気な顔で怒ったり笑ったりと、コロコロ変わる表情がなんとも可愛らしいと思ってしまうのは私だけだろうか?


高校は私と同じ月島高校で、これまた同じ学年の二年生。


部活はサッカー部に所属しており、性格も真面目なことから、まさに純情爽やか少年という言葉がピッタリな男の子だ。
< 9 / 535 >

この作品をシェア

pagetop