シークレットラブ

Secret 2

私は、比較的大人しいほうだ。肩につかない程の長さの黒髪。特別手入れしていないせいか、固い。
その点、美希は可愛い天然パーマで鎖骨まで緩く髪を二つに結んでいる。
どうしてここまで違うのだろう・・・
「聞いて、真由‼︎」
「今度はどうしたの?」
「バス停でね、また見かけたの!永吉君を!」
「へぇ〜」
美希が見たのは約一ヶ月前。バスの中でで見て好きになったらしい。
一目惚れってやつ?
隣に居た友達らしき人が「永吉」って呼んでいたことで苗字がわかったらしい。
美希の好きな人が私と同じだったなんてしばらく知らなかった。
「永吉・・・なんて言うのだろう。下の名前がきになるよね!サッカー部の試合の応援してた時、相手中学に永吉君がいたからサッカー部だってことは確か・・・あと星稜中だってことも!」
「うん」
「どこの高校行くんだろう。頭良かったら長丘高校だよねぇ〜」
「星稜中なら星稜高校っていうこともあるよ?」
「えぇ⁉︎星稜高校?私、絶対無理!いけないよぉ。」
「そんなことないよ。頑張れば大丈夫だって!」
「真由は頭良いから・・・。はぁ、人生ってうまくいかないねぇ〜」
「美希・・・」
私はそれ以上美希に言葉をかけられなかった。
「永吉君・・・」
彼が居たというバス停に興味本位で行ってみた。
彼は、3年前よりも成長している。
当たり前かぁ・・・。でもすごく大人っぽくなっている。胸が鳴り止まない。
バスに乗り込む。通路を挟んで永吉君はすわっていた。ちらっと見てみる。
疲れていたのか、うとうとと永吉君は目を開けたり閉めたり・・・。
「可愛いなぁ・・・」
美希の好きな人だと知ったときからしまい込んでいた恋心が今、もう一度蘇ってくる。
ねぇ、永吉君・・・貴方はあの日のことを覚えていますか?









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