保育士は超アイドル!〜恋していいですか?〜

「おはようございます!園長、水やりありがとうございました」


元気よく職員室のドアを開け、柚は中へと笑顔を向ける。
朝の静かな時間。
少し狭い職員室を見回す。
明るい光りが差し込み、清々しい思いに満ちている。
『園長は?園長室に戻ったのかな?』
ちょっと遅れてコーヒーの香りが柚を包んだ。


「おはようございます。柚先生」


後ろから、ふいに優しい低い声がした。
柚の体が全て心臓になったかのように、その声に過敏に、大きく、反応する。


「お、おはようございます。花……花畑先生」


振り返らなくても分かる。
この声、感じるオーラは花畑 蜜だ。
どうしてこんなに動揺してるのだろう。
この動揺が花畑 蜜に伝わっていないだろうか?
柚はまた激しく動揺する。
考えれば考えるほど、鼓動が速くなる。
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