Pair key 〜繋がった2つの愛〜

目を閉じていても明るい視界。
そこに広がる彼との呼応。熱、香り、息遣い……どれもこれもが愛しい。
とっくに慣れ親しんだ感触なハズなのに、新鮮な歓びが湧き上がった。

ふっと軽く吐息を漏らしたあと、互いにゆっくりと唇を離して見つめ合う……


「ねぇ、好き?」

「いいや?……そんな単純なものではない」

「なんか大変そうだね……」

「人事みたいに言うな」

「だって他人事だもん……」

「少しは学習しろ」

「うん……頑張る。だから懲りずにまた教えてね?」

「……まあ、気が向いたらな」


ふふふ、と小刻みに笑いながら、わたしの頬に触れようとした俊哉さんの左手をとる。
自分の両手に、ズッシリとした男性特有の重みを感じながら……繊細なイメージだった手指が、間近で見ると意外と節くれだっていることに改めて気付いたり。

そしてこれからは、また手を繋ぎたいなと思ったりした。


(でもきっと、俊哉さんはそういうあからさまなのは、あまり好きではないんだろうけど……)


そう思って……


だったら何か別の形で繋がれたい――

いつでも彼と繋がっていられたらいいのに――


そんな夢みたいなことを、願わずにはいられなかった。

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