【完】純白の花に、口づけを。
「千花」
「結婚したら、全部片付くと思ったのに」
「………」
「気持ちにケリもつけられると思って、結婚しようと思ったのに」
千花は、顔を上げて。
「ごめんね。やっぱり精神的にまだ整理できてないんだと思う。あとで片付けに来るから、お皿とかそのままでいいわよ。ちょっと部屋行くわね」
「千花……」
止める間もなく、千花は部屋へと戻ってしまった。
「……はぁ」
残された俺らの気まずさを紛らわすように、ハルさんがため息をついた。
「和架、お前依千花んとこ行ってやれ」
「は?」
「俺が行ったら、アイツは絶対泣くだけだ。お前が行ったら、ちょっとぐらい未来変わるんじゃね」
「………」
「好きなんだろ。行ってやれよ」