【完】純白の花に、口づけを。
「そっか」
優しく、千花が微笑む。
無意識に息がしづらくなって、千花はそれに気づいてトントンと背中をさすってくれた。
「本当なのよ。クロは、私」
千花の言葉に、「ん」と短く返事する。
「黙ってて、ごめんね」
ふるふると首を横に振ると、背中をさすりながら抱きしめてくれる。
千花の甘いシャンプーの香りに、小さく千花の服を握って。
やっぱ俺、千花の前じゃすげーガキなんだなって実感した。
「今の黒のこと、知ってるか?」
「うん、知ってるわよ」
「誰か、も」
「知ってるわ」
和架も知ってるんでしょう?と聞いた千花がどうしてクロだったのか、クロとして活動していた理由も聞けなかった。
だけど。
「あら、眠い?」