魔女の瞳
暖炉に炎が灯り、暖かくなってきた。

少し体を温めた後、私は薪を調達に出掛ける。

といっても、小屋を出てすぐ外に行くだけなのだけれど。

エリスも興味津々といった様子でついてきた。

…私は辺りを見回す。

うん、あの木なんて適当かな。

私は木に向かって右手をかざし。

「            」

また高速詠唱をする。

右手の中に、何かが収束するような音。

そして次の瞬間。

「ひゃあっ!!」

エリスの悲鳴と、圧縮された空気が解放されるような音が重なった。

私の右手から、視認できるほどの風圧が弾き出され、目の前の木を輪切りにする!!

雪煙を上げ、大木が地面に倒れた。

「め、め、メグさん今のは!?」

「風呪(ふうじゅ)の一種よ。四大元素のうちの『風』の系列の魔術。風を魔力で圧縮して、刃状にして撃ち出したの」

更に小さな風の刃で、木を手頃な大きさに切り、薪の調達は完了。

「さてと、ここからは貴女の仕事よ、エリス」

私はエリスの顔を見た。

「料理、できるって言ってたわよね?材料は幾らか小屋の中に備蓄してあるから」

何を作ってくれるの?と目で訴える。

「ま…」

エリスの表情が、ぱぁっと明るくなった。

「任せて下さい!腕によりをかけて美味しいの作っちゃいます!!」

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