花の名は、ダリア

「ソレ、俺も見に行きます。
布団があったら、祠に持ち込みましょう。
そーしましょう。」


力強く頷いたソージが、ダリアの手を引く。


「お布団?
眠いの?調子良くないの?」


ソージに手を引かれたダリアが、心配そうに訊ねる。


「背中が痛いとイヤでしょう?
あらゆる立位を試してみるっつーのも、興味深いですケドね。」


「え?うん?なんの話?」


「飼い犬も、飢えれば主の手を噛むって話です。」


「ふーん、そう…
だから… ナニ?」


わからなくたってイイよ。
すぐに思い知らせてあげるから。

今度は優しくシテあげる。

優しく暴いて。
優しく奪って。
優しく貪って。

柔らかく絡みつく鎖で、貴方をがんじがらめにしてあげる。

俺という温室の中でしか生きられない、美しくも脆い花にしてあげる。

だから…

『穢れし者』がいるってコトは、『ノエル』が血を与えた『貴族』が俺の他にもいるってコト?とか。

カシラってば、『穢れし者』のクセに、ほんの少ーし人間らしさが残ってたよ?とか。

諸々の疑問は、後回し。

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