花の名は、ダリア


塵になったフランシスがサラサラと崩れだした時…

バンっ!

大きな音を立てて部屋の扉が開かれ…てか叩き壊されて、ダリアはビクっと身体を竦めた。


「やっぱりかぁぁぁぁぁ!!」


間髪入れずに発せられた声に、驚きながらソチラを見ると…

ハイ、阿修羅のようなソージくん。


「あら?
ソージはさっき帰ったんじゃなかった?」


細い指で髪を右耳にかけたダリアが、大きな目を瞬かせながら不思議そうに首を傾げる。



チクショー、いちいち可愛いな。

けど、そんなんじゃ誤魔化されねェから。

今度はソージが怒ってます!


「ドコから入ったンですか!?
でもってナニをやってンですか!?」


ダリアの問い掛けをまるっと無視して、眉を吊り上げたソージは怒鳴った。


「ドコって… その窓からよ。
ヴァンパイアらしいでしょ?」


「三階の?

俺は一階だったのに…
ちょっと悔しいじゃねェか…」


ボソボソと呟いたソージが、下唇を突き出す。

悠長に悔しがってる場合デスカ、コラ。

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