花の名は、ダリア

ハイ、尋問スタート。


「ダリア…
あの女が『穢れし者』を飼ってることに、いつ気づいたンです?」


床に膝を落としたソージは、ベッドに腰掛けるダリアを真剣な表情で見上げて言った。

するとダリアは、気まずそうに肩をすぼめて視線を泳がせる。


「いつって…
ぅー…
あ、そういえば、クララちゃんはどうなったの?」




誤魔化す気デスネ。
ソーデスネ。

させるか、コノヤロー。


「逃げられましたよ。」


ソージは眉一筋動かすことなく、ペロンと嘘をついた。


「え?
彼女を捕まえられなかったの?
ソージが?」


「ずいぶん俺の腕を買って下さってるようですが…
建物の中を移動されれば、見失うこともありますよ。
街中ブっ壊しながら捜せばよかったですか?」


「やめてよ。
ソージが言うと、冗談に聞こえないわ。
でも… そう…
逃げちゃったか…」


ダリアは最後のフレーズを、溜め息と共に吐き出した。

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