花の名は、ダリア
ハイ、尋問スタート。
「ダリア…
あの女が『穢れし者』を飼ってることに、いつ気づいたンです?」
床に膝を落としたソージは、ベッドに腰掛けるダリアを真剣な表情で見上げて言った。
するとダリアは、気まずそうに肩をすぼめて視線を泳がせる。
「いつって…
ぅー…
あ、そういえば、クララちゃんはどうなったの?」
…
誤魔化す気デスネ。
ソーデスネ。
させるか、コノヤロー。
「逃げられましたよ。」
ソージは眉一筋動かすことなく、ペロンと嘘をついた。
「え?
彼女を捕まえられなかったの?
ソージが?」
「ずいぶん俺の腕を買って下さってるようですが…
建物の中を移動されれば、見失うこともありますよ。
街中ブっ壊しながら捜せばよかったですか?」
「やめてよ。
ソージが言うと、冗談に聞こえないわ。
でも… そう…
逃げちゃったか…」
ダリアは最後のフレーズを、溜め息と共に吐き出した。